2018年度所信

市民から愛されるまつどの実現―行動と愛で地域は変わる―

公益社団法人松戸青年会議所
2018年度理事長 圡屋 真

私の祖母がよく言っていた言葉に「目は臆病 手は鬼」というものがあります。 戦後、農地解放から自分の土地を守るために、今までやったことのない農業を行い、機械もない中、鍬一本で畑を耕しておりました。最初は、その途方もない作業量に愕然としたそうでありますが、奮起して近所の人に手伝ってもらいながら毎日毎日手を動かしていると見事すべて耕すことができたそうです。このように、目の前の作業の膨大さを目で見ると怖気づいてしまうけれど、手を動かしていけばいつかは達成できるという意味です。
我々青年世代は、少子高齢化や社会福祉問題、ワーキングプアや異常気象、隣国との外交問題など様々な問題を抱えております。これらの問題は、解決が困難な問題なのかもしれません。しかし、怖気づいてはいられません。決して目を背けることなく、少しでも手を動かして立ち向かっていく不撓不屈の精神と行動力が必要なのではないでしょうか。これは一人でできるものではありません。地域を愛する人々がつながりあい、助け合って初めて達成できうるものだと考えます。今まさに地域の人々同士を結び付けてゆくことが求められています。
また、地方分権改革が進められている中、地方の自主性・自立性を高めることにより、地域のことはその地域に暮らす住人自らが判断して、実施に移すことができるようになる反面、そこに住まう人々に主体性がなければ成り立ちません。しかし、現状を鑑みると投票率の低下や地域とのつながりの希薄化が問題になっているところを考えれば、主体性を持って地元のことを考えている人は多くないといえます。では、住民が主体性を持つというのはどのような条件があるのでしょうか。私は自分の地元に対する愛が芽生えたときに生まれるものだと考えます。
キリストの教えでは、「汝自身を愛するように、隣人を愛しなさい」とあり、また中国の思想家孔子が唱えた五常の徳のひとつには、仁(他者に対する親愛の情、優しさ)があげられているように、愛するということは非常に尊い感情であり、原動力になるものだと考えます。地域に住まう実行力のある青年たちが自分自身を愛するように、仲間や、近隣に住まう人々や住んでいる地域を愛することができれば、愛されるまつどが必ずや実現できると確信しております。

地域社会との接点を創る

まつどを愛してもらうためには、近所づきあいをはじめ、地域社会との接点をもつことから始まり、地域でのボランティア等の活動を通して、地域に関与するようになって愛郷心が芽生えるのではないでしょうか。地域のつながりの希薄化が社会問題になっている昨今、内閣府の国民生活白書によれば、その原因はサラリーマン化や単身世帯の増加等があげられております。しかし、地域社会への貢献意識は高まっており、多くの人は困ったときに助け合う関係を望んでおります。県内でも有数のベッドタウンである松戸市は平成27年度の国勢調査のデータによれば単独世帯数は80,065件ということで、総世帯数での割合は37%と千葉県の平均より約5%高い数字がでております。これは、単身のサラリーマンが非常に多いことを意味しております。そして多くのサラリーマンは職場と自宅の往復で地域社会との接点を持っておりません。地域に住む一人ひとりが少しでも地域に寄与する行動を起こすことができれば、地域が一変するほどの力をもつでしょう。仮に松戸の20万世帯のうち、ひとりが6分間でも活動することができれば、8時間労働者2,500名分の仕事量と同じなります。松戸市役所の職員数が約4,000名と考えると実に60%を超える労力を手に入れることができます。この多くのサラリーマンの方々が忙しい中でも1日のうち数分間地域に貢献できる運動を展開することで、地域との接点ができることはもちろん、地域社会に寄与している自覚を持つことがまつどを愛するきっかけとなるでしょう。

地域の未来を考える

民主主義国家にとって選挙は政治に参加し、主権者としてその意思を政治に反映させることができる最も重要かつ基本的な機会です。2018年6月には、松戸市長選挙が行われます。松戸市の行政のリーダーを選ぶ重要な機会ですが、直近3回の選挙の投票率は40%前後と市民の半分も投票権を行使しておりません。また、2016年より投票権が引き下げられ18歳以上の方が投票できるようになりました。それでも人口比率から考えれば、松戸の人口の半数以上が45歳以上であり、30%以上の方が60歳以上であります。また直近で行われた知事選では、20代の投票率は18%台で、70代の投票率は46%台ということもあり、選挙の結果は高齢者の方の意向が多くを占めているということがわかります。まずは若い世代が今まで以上に政治への関心を高め、未来を切り拓いてゆく青年たちの思いが投票結果に表れやすくすることが先決です。若い世代の目に触れ、関心を抱かせる宣伝手法を駆使して政治参画意識を高めていかなければなりません。そして一人でも多くの方々に各候補者の政策を比較し、自らが住まう地域の未来を考える場を提供し、地域社会の一員であるという当事者意識を高めていくとともに期日前投票についての啓蒙活動を若者と一緒に活動することで、投票率の上昇に寄与します。

子どもたちの未来を考える

近年、所得の低迷や女性の社会進出等の問題もあって共働き世帯が増えたことで、自分の子どもと接する機会も減り、社会の最小単位である家庭のコミュニケーションが不足しがちであります。また、趣味嗜好の多様化やSNSなどのコミュニケーションツールが普及したこともあって、特に対面でのコミュニケーションの機会が減少傾向にあります。たしかにLINEやメールなどのメリットは多大にありますが、実際、相手に何かを伝えたら何を感じるのか、しっかりと伝わっているのかが不明瞭であったり、相手は文章のみでしか判断ができないので、相手の考え方が理解できていないと齟齬が生じたりすることが多々あります。コミュニケーション自体は現代の方が容易である反面、相手の表情や声のトーンなどが全くつたわらないので細心の注意をしなければなりません。では、相手のことを考えながら、こちらの意図を的確に伝えるためにはどうしたらいいのでしょうか。それは、対面でのコミュニケーション能力を磨くことが最もよい方法だと考えます。相手の人となりを知るためには、言葉や言葉遣いだけでなく、仕草や表情など五感を通して理解するものですし、学校生活やビジネスなどの社会活動をするためには対面でのコミュニケーションは必要不可欠です。
まずは親子でのコミュニケーションの取り方を考える機会をもうけ、相手と向き合うことの大切さや自らの思いがどうしたら相手に伝わるのかということを学ぶことで、互いに理解しあえるコミュニケーション手法を主体的に考えていく意識を醸成していきます。

子どもたちの自己肯定感を育む

国際的にみても日本に住まう子どもたちの自己肯定感はかなり低い数値が出ています。これは日本人が謙虚さを美徳とする国民性からきている部分もありますが、この数値が低すぎると、自分を卑下したり、ものごとを後ろ向きに捉えてしまう傾向が強く、前途ある子どもたちの未来を自らの手で閉じてしまうことになってしまいます。ですが、この世に生まれてきた瞬間から彼らは価値ある存在であり、可能性の塊であり、未来の日本を作り上げていく大切な人財です。決して不必要な存在などではありません。自分が自らを肯定できるから自分を愛することが出来、他者を愛せるようになります。自己肯定感の醸成は、自己有用感を感じることに始まります。子どもたちがチームを作り、互いに協力をしあい、励ましあいながら一人一人が自分に課せられた仕事を達成することで、責任感と達成感そして子どもたちそれぞれが自分は他者に対して役に立てるという気付きを与え、失敗を失敗と考えず、成功への階段、次への前向きなステップだということを教えることで、子どもたちが自信を持ちポジティブな気持ちで未来へと歩んでいけるでしょう。

力強く運動を展開する

我々は、明るい豊かな社会の実現に向けて行動している運動体である以上、母数が大きくなればなるほど、原則としてその力は強大になっていきます。また、地域のリーダーとして牽引できる人財を一人でも多く見出すこと自体が、究極のまちづくり、ひとづくりであります。さらに、この組織は満40歳を迎えると卒業をしなければならないことから、会員拡大は至上命題であるといえます。そこで現実的かつ具体的な目標を立て、覚悟を持って拡大に努めたいと思います。2018年度卒業のメンバーが多数在籍しているということで、2019年度が純増10名でスタートができるよう、具体的な会員数を目標とします。卒業生は経験を活かし、先輩方や今までの活動で繋がってきた人脈を生かして必ず卒業生と同数の拡大、残りのメンバーであらゆる手法を考え、青年会議所の独自性を訴えながら足を使って10名を拡大します。そしてメンバーひとりひとりが互いを尊重しあい、青年会議所メンバーとして同じビジョンを持ち、誇りをもって拡大活動に励むこととともに、新しい出会いに対して積極的に行動をとることで成果があげられることでしょう。また、新入会員のメンバーについては、組織の理念や求められる行動などをしっかりと伝えながらフォローしていく体制を整えます。

信頼される組織となれ

愛される組織となるためには、公益社団法人として社会的信用を得なければなりません。メンバーが活動しやすいように組織運営に気を配り、工夫を凝らして効率化を図ります。理事会、総会等の諸会議の設営を行い、財務や事業を適切に執行していくとともに法令を遵守し、個人情報、決算報告、会議の決定事項などを適切に保存します。さらには、WEB等を利用し情報を迅速に公開し、開かれた組織であることや魅力ある事業を喧伝することで、我々に対して興味を抱いていただける方を一人でも多く増やします。また、2018年度は公益社団法人として丁度5年が経過します。過去を検証し、今一度、公益社団法人としてのメリット、運用してみての課題など整理し、最大限メリットを生かすためにはどうすればよいのか、どのようにして課題をクリアしていくのか明確に答えを出すことで、さらに洗練された組織運営の一助にしてまいります。

地域の方々とのつながりを大事に

地域の中には、行政をはじめ地域をよくするために積極的に活動している団体が数多く存在しております。大きな運動を起こすためには、良好な関係を築いていかなくてはなりません。まずは、50周年で多大なるご協力を頂いた行政、民間団体、県内の会員会議所メンバーに対して感謝を表するために、新年祝賀会を開催し、今まで通りの協力体制を確立いたします。また、こちらから一方的なお願いをするだけでなく、地域貢献するために積極的に地域事業にも参画し、双方Win-Winの関係を構築し、地域に一目置かれる存在として努力奮闘してまいりましょう。

同志と接することで己を磨く

松戸青年会議所同様に、千葉県では25の青年会議所があり、関東地区では158の青年会議所があり、日本全体では696の青年会議所が存在し、約35,000名の会員がおります。それぞれの地域を愛し、明るい豊かな社会の実現に向けて運動を展開している県内外の同志と接し互いに刺激しあうことで、松戸青年会議所を客観視できるようになり、松戸青年会議所の足りないところやありがたみを知る機会になります。是非、千葉ブロック協議会、関東地区協議会、公益社団法人日本青年会議所が主催する対外事業にも積極的に参加していただき、自身の見識を増やしていきましょう。

むすびに

公益社団法人松戸青年会議所は設立から半世紀が経ち、本年51年目を迎えます。これだけの長い歴史を作ってこられたのも、家族や仲間や地域を真剣に愛したかつての青年たちがその時の情勢を鑑み、試行錯誤をして明るい豊かな社会の実現に向けて尽力されていたからに他なりません。我々はその伝統を守り、自らのまちを自らの手で変えるという圧倒的なまでの当事者意識を持ち、全力で取り組んでまいります。その中でつらいことや立ち止まってしまいそうになることもあるでしょう。そんなときこそ愛をもって仲間を思いやり、足りないところを補いあいながら運動を展開し、我々から他を思いやる愛を地域に伝播し、このまちに縁あった人間として多くの人に愛されるまつどを創りましょう。

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