2019年度所信

『学び』~学びを通して遠きをはかろう!松戸の未来のために~

公益社団法人松戸青年会議所
2019年度理事長 大川 浩嗣

はじめに

 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催間近となった現在、2018年に入っても尚、日経平均株価は20,000円を下回ることが無く、日本は非常に景気がいいと言われています。しかし、2019年には消費税率が10%に変更になり、さらには、東京オリンピック・パラリンピック競技大会後はインバウンド需要も後退し、景気の悪化も予想されています。また、労働力不足によりビジネスチャンスがあっても、チャンスを活かせずにいる業種業態も数多くあるのが現状であり、課題となっております。
 我らが住まうまち、松戸では、「共働き子育てしやすい街ランキング2017」にて松戸市が全国162の自治体(東京を除く)で1位を受賞しました。待機児童2年連続ゼロや市内全23駅の駅前・駅中への小規模保育施設の整備、幼稚園での預かり保育の利用促進、保育士確保、保育の質向上、市内全45小学校区に放課後児童クラブを完備した他、病児・病後児保育の充実など、松戸市のさまざまな子育て支援の取り組みが評価されています。また、人口については、2013年が480,227人に対し、2018年5月1日現在は495,758人と5年連続人口が増加しています。
 このように日本が多くの課題を抱えている中、松戸は共働きや子育てがしやすく、そのことも人口の増加に寄与し、非常に恵まれた環境になっています。そのような素晴らしい環境のもと、今後も松戸青年会議所として地域に根差した青年会議所らしい事業を展開し、地域の方から「松戸青年会議所って、いい事業をする団体だね!」と言われるような誇りある、そして利他的な貢献ができる団体としてさらに磨きをかけていきましょう。そのためにも、個人の修練、社会への奉仕、世界との友情の三信条に基づき、またJayceeとしても様々な体験を自身の足を使って学び、その学びを通して松戸をさらに明るい豊かなまちにする運動を展開していきましょう。そのような行動こそが更なる半世紀である、松戸青年会議所の100周年に繋がっていきます。
 二宮尊徳翁は「遠くをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す それ遠くをはかる者は百年のために杉苗を植う まして春まきて秋実る物においてをや 故に富み有り 近くをはかる者は 春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず 唯眼前の利に迷うてまかずして取り 植えずして刈り取る事のみに眼につく 故に貧窮す」という言葉を残しています。この言葉にあるように、短期的な視野に立つのではなく、長期的な視野に立った上で、様々な体験から学び、その学びを通して今できることを着実に実践していく。松戸青年会議所の諸先輩方は、常にそのことを意識して実践してきたからこそ、今の松戸青年会議所があります。我々もさらに強い志を持ってより良い松戸青年会議所を創っていきましょう。その行動1つ1つが、我らが住まうまち松戸をさらに明るい豊かなまちとして創りあげることに繋がるに違いありません。

松戸の経済価値を高める

 松戸市の人口が増加しているということは、その分経済成長に貢献できていると考えられますが、一方では2018年3月21日をもって松戸のシンボルでもあった伊勢丹松戸店が44年間の歴史に幕を閉じました。それにより、松戸の地域経済を元気にしていかなくてはならないという課題が浮き彫りにされてきました。
松戸市は都心から20キロメートル圏に位置し、電車で約30分の距離にあり、首都圏の住宅都市として発展を続けています。さらに、2015年にはJR常磐線が東京・新橋・品川方面への直通運転が実現し、2018年には東京外かく環状道路が東京湾岸道路まで延伸し、松戸インターチェンジも完成しました。また、千葉県は梨の生産が全国1位ですが、その中でも松戸市は二十世紀梨誕生の地として有名です。そして、ねぎの生産は千葉県が全国3位で、松戸市は県内1位の生産を誇り、特に矢切ねぎが有名です。これらからも分かるように、経済的に発展を遂げていくには、アクセスだけではなく、名産品もあり、非常に高いポテンシャルを有しているエリアであると思います。
日本全体が2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を機に、観光立国日本を目指す上で、松戸青年会議所としてどのようなことが出来るかを再度考えてみる絶好の機会かと思います。松戸は農業体験など都心では経験しにくい体験が出来るエリアです。そのような体験が松戸の新たな経済価値になることを、松戸市内の経営者やこれから経営者になろうとしている人に知っていただくことが、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性となり、松戸の経済がさらに発展する芽となります。また、6次産業や企業のパートナーシップなどにより、松戸の将来の経済発展のために新しい価値を創る事業を開催し、「松戸といえば、コレ!」と言えるようなものを松戸市内外の方に発信していきます。さらに、千葉県には松戸青年会議所を含む25の各地青年会議所が存在しています。毎年開催されます千葉ブロック大会に参加し、他市での取り組みを学ぶことで、今後の松戸市の在り方を考える一助となります。今花開くことだけではなく長期的視野に立った上で、我々自らが学び、施策を提案していくことが地域に根差した地域貢献であり、まさに青年会議所らしい運動であると考えます。地域の将来を担う人同士が手を取りあい、本気で松戸の未来について議論していくことで、松戸の経済価値を一段と高めていきましょう。

松戸の新たな働き方を模索する

 少子高齢化が進む中、50年後も人口1億人を維持し、職場・家庭・地域で誰しもが活躍できる社会を目指す一億総活躍社会の実現に向けた取り組みとして、2016年安倍晋三首相は働き方改革実現推進室を設置し、働き方改革を提唱しました。背景には、15歳から64歳までの生産年齢人口が総人口を上回るペースで減少していることが挙げられます。生産年齢人口が1995年には8,000万人を超えていましたが、このままのペースで少子高齢化が進むと、2060年にはその半分の4,418万人になる見込みです。尚、総人口は2018年の概算値が1億2,653万人に対して、2060年には8,674万人になると予測されており、このままでは国全体の生産力低下・国力の低下は避けられない現状となっています。
 松戸市では過去5年間連続で人口が増加し、さらには「共働き子育てしやすい街ランキング2017」にて1位を獲得するなど、明るいニュースが多い現状ではありますが、長期的に見ると決して楽観視できない現実があります。ダイバーシティという言葉にも表れているように、一億総活躍社会を実現していくためには、様々な多様性を理解し合い、共に手を携えていく必要があります。
まずは、経営者やこれから経営者を目指す方から現在のユニークな働き方の情報を提供していただき、新しい働き方についてのいくつかのモデルケースを模索していく事業を実施します。そして、松戸市内の企業の募集方法を変えていきます。また、世界的に見ても女性の社会進出が遅れている日本。特に女性の社会進出が遅れている大きな理由として、出産・育児と仕事の両立の懸念が挙げられます。女性の社会進出を促進するために、産休産後での休職や退職を経験された方の意見を踏まえながら、復職しやすくするためには何が必要であるのかを見出す事業を開催し、より多くの雇用を生み出せる環境を創ります。
性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性を高めようとするダイバーシティの考え方を、松戸青年会議所メンバーのみならず、地域の経営者や働く方が学び行動に移すことで、単純な労働力の増加だけではなく、有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応といったプラス効果も生み出し、地域経済の活性化に貢献していきましょう。

無限の可能性を信じる子供を育てる

 子供には無限の可能性があると思います。その可能性を信じて支援してあげるのも、その可能性の芽を摘んでしまうのも、最初は親や周りの大人なのではないでしょうか。産まれたての赤ん坊は、当然ですが最初から歩くことはできません。しかし、歩こうとして転んでも尚、立ち上がり歩こうとします。その繰り返しを通して、歩くことが出来るようになります。まさか、赤ん坊が自らの意志で歩くことを諦めるようなことをするのでしょうか。歩こうとしている中で、親や周りの大人が援助をしてあげていると、いつの間にか歩けるようになっています。自らの子供や周囲の子供が赤ん坊の頃は、彼らに対して無限の可能性を信じていたのに、いつの間にか「このくらいでいい」「人並みでいい」などという勝手な周囲の尺度をその子供に与えてしまってはいないでしょうか。大人が子供に対して夢を持ちなさいと伝えているのに、いざ夢を持つと子供に対して無限の可能性を信じて支援してあげているのでしょうか。
そのような課題がある中で、まずは子供が夢を持った際に最大限支援できる体制を創るために、親や周囲の大人がどのように考え、どのように行動したら良いのかを学ぶことができる事業を開催し、子供にとっての最大の支援者が親であることを改めて知ってもらいます。我々青年会議所メンバーも、地域社会で暮らす以上は地域の子供の無限の可能性を信じて支援する方法を学び、行動に移していかなければなりません。その上で、子供が自分自身に対して無限の可能性があることを知ってもらえる事業を開催して、将来の夢を自由な発想で表現してもらいます。どんなにいい種も、いい土壌に植えないといい果実は得られません。子供が持っている無限の可能性という種を、信じて支援してあげる周囲の環境という土壌に植え、子供の夢という果実を実らせてあげることで、必ずや明るい豊かな社会の実現に繋がります。

組織的拡大を通して組織に活力を取り入れる

 会員拡大とは、明るい豊かな社会の実現を目指す運動への賛同者を増やし、より大きな組織体として、より大きな運動を継続していくための基本運動です。つまり、青年会議所運動を継続していく上で、無くてはならない運動です。常に同じメンバーだけの組織では、考え方や手法などが凝り固まってしまう可能性があります。青年会議所は40歳定年であり、さらには単年度制であるため、基本的には毎年組織が変化していきます。新しいメンバーが増えない限り、組織は小さくなり、運動自体も縮小してしまうことも事実です。
 松戸青年会議所はここ数年メンバー数が減少しています。より大きな運動をしていくためにも、組織体を大きくしていかなければなりません。数は力です。2019年度は拡大委員会を置かず、別途設ける拡大責任者が全事業のオブザーバー動員計画の実現可能性を審査します。審議可決後には拡大責任者が、各委員会に新たに設置する拡大幹事に対してオブザーバー動員の計画と実績の管理を行います。当然ですが、オブザーバーを呼ぶだけでは入会までに至りません。例会に参加したオブザーバーの対応や入会までのクロージングは、拡大幹事の補佐のもと拡大責任者が主軸となって行動をします。また、認承式の準備や運営も拡大幹事と共に行います。尚、拡大責任者は認承や委員会配属に関する上程、つまり拡大入会数については全責任を担うことになります。以上のように拡大責任者が管理を行い、その管理状況を各委員会とも連携しながら支援体制を敷いていく組織的拡大を実施していくことで、拡大に対する意識も向上します。拡大責任者は、組織的拡大の経験からマネジメントを学ぶことが出来、より多くのメンバーからの協力を得る力をつけることが出来ます。そのような経験からの学びを得ることで次代を担うリーダーへと成長し、松戸青年会議所をさらに活力溢れる組織に変えていきましょう。

合理的且つ円滑な組織運営をする

 最高意思決定機関である総会、理事会、監事監査などの諸会議の設営や運営はもちろん、そこで決まった内容や活動記録を内外問わずに発信し、まずはメンバー皆で同じ情報を持ち合うことが組織の合理的且つ円滑な運営に繋がります。また、事務局の整理、整頓、清掃、清潔、躾の5Sを実践することで、モノや情報を探す時間が削減され、事業構築などに費やす時間が増えます。無駄を省くことでより効果的な事業や運動を実現させていきましょう。

自己実現をするための組織になる

 マズローの欲求5段階説で、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」という仮説のもと、生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求という5段階の欲求が人間にはあることを理論化されています。欲求は抑えるよりも、引き出して満たした方が、より健康になり、より生産的になり、より幸福になると考えられています。
青年会議所は「自己成長したい」「地域貢献したい」「人脈を作りたい」などの欲求を持ったメンバーで構成されています。メンバーは非常に貴重な存在であり将来の担い手でもあるため、メンバーの欲求を満たしていくことも必要です。逆に満たされていないと、焦燥感や劣等感、無力感などの感情が現れ、在籍率も低下してしまう恐れがあります。相手の欲求の満たし方について学ぶ事業を開催し、欲求5段階説の最上位概念でもある自己実現をするための組織としての在り方を一緒に考えていきましょう。また、出向者に対しても組織全体で支援をし、所属と愛の欲求を満たしていく体制をつくりましょう。

財務管理とコンプライアンス遵守により公益法人としての健全な組織を維持する

 公益法人としての社会的信用力を持って事業や運動を展開していくためには、公益法人のルールに基づいた透明性の高い正確な財務管理を実施し、コンプライアンスの遵守にも目を光らせた組織運営が必要になってきます。内部統制を目的とした財務・コンプライアンス担当者による全事業への監視、監督を通して、健全な組織運営を維持していきます。

お力添え頂いた皆様に感謝しより大きな運動を起こす

約半世紀、松戸青年会議所が存在できているのも、松戸の地にて様々な関係諸団体の皆様や、各地青年会議所メンバーのお力添えがあってのことと思います。従って、今までの感謝を伝えるとともに、今後もより大きな運動を展開していくためにも、新年祝賀会を開催し、さらにより良い関係性を構築していくことで、地域の課題解決に少しでも貢献できる事業を構築していきます。

むすびに

 2019年は東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催の前年であり、さらには平成から新しい元号になる年でもあります。歴史的に見ても大きな転換が予想される年になることでしょう。大きな転換があるということは、革新をするための大きなチャンスでもあると言えます。今は先が見えない時代と言われているからこそ、我々は様々な経験や体験から学び、先見力を身につけ、将来のために今できることを着実に実行していくことが必要な時代です。変える時には大きな抵抗や痛みを伴います。ただ、今後益々激動の時代になるからこそ、抵抗や痛みに負けず、長期的な視野に立って百年先のために杉苗を植えることが必要です。
 松戸青年会議所も半世紀を超えて存在しているということは、大きな変化の波を柔軟かつ大胆に乗り越えてこられた多くの諸先輩方のおかげでもあります。松戸の未来のために、松戸がどうあるべきかを地域諸団体の方やメンバー同士で本気になって膝を付け合せて議論を重ねながら着実に行動に移されてきました。我々現役メンバーも諸先輩方に倣い、個人の修練、社会への奉仕、世界との友情の三信条のもと、100年先を見据えた上で学び、判断して行動していく責任があります。その責任を遂行し、地域のために常に長期的な視野に立った事業を行い、地域の方から「松戸青年会議所って、いい事業をする団体だね!」と永続的に言われる組織にしていきましょう。

約束します。現役メンバー皆の成長を。
だから、学びを自らの足で。

限られた人生です。いい人生って何だろうか、と考えていた時に飛び込んできた言葉がありました。「あなたが生まれたとき、周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。だからあなたが死ぬときは、あなたが笑って、周りの人が泣くような人生を送りなさい。」インディアンの教えです。これを実現するには、周りに貢献できる人になろうと思いました。しかし、簡単に貢献できる人になることはできません。だからこそ、貢献できる力を身につけるために「学ぶ」ことが重要であると考えました。当然ですが、人には最期があります。私は「始末」という言葉が好きです。物事の始まりと終わりという意味ですが、人生もこれと同じであると思います。つまり、今だけではなく、終わりをどのようにするかを常に考えること。そのことを意識していれば、行動は自ずと決まってきます。

しかし、組織には最期があってはいけません。松戸青年会議所が永続的に地域に必要とされる組織になるために、我々は学び続け、成長していかなければなりません。共に学び、共に成長し、周囲に貢献していきましょう。そして、これからの松戸がどうあるべきかを本気になって考え行動していくことで、松戸を明るい豊かなまちにしていきましょう。

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