2024年度 理事長所信

公益社団法人松戸青年会議所
2024 年度 理事長所信

『新たな挑戦』
~強くたくましい組織へ~

公益社団法人松戸青年会議所
理事長 渡辺 大起

はじめに

2020 年より出てきた新型コロナウイルス感染症が「5 類感染症」に位置付けられ、ようやくマスクの無い生活が戻りつつあります。
このコロナ禍には様々な世の中の変化がありました。今まではスーツを着て電車に乗り通勤をするのが普通のサラリーマンというイメージでしたが、新型コロナウイルス感染症が出てきた 2020 年からは在宅ワークも珍しくなく、会議や打ち合わせもオンラインで行うことが多くなり、それが新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきた今でも継続され、働く人たちのスタイルは大きく変わりました。買い物一つにしてもオンラインショッピングの利用割合やキャッシュレス決済での支払いが増えたり、飲食でもテイクアウトやデリバリーサービスが増え店内で食事をするのが当たり前という概念が無くなったりと、コロナ前は珍しかったものが今では当たり前に、それにより時間や効率性が良くなった便利なものが今まで以上に増えました。このコロナ禍をきっかけに始まった取り組みが現在でも継続されているものは、団体や企業がそのコロナ禍でみんなが大変な中、覚悟を決めて新しいサービスや新事業に挑戦し実行したからです。
我々青年会議所の運動も同じく、変革の起点となり社会の課題を解決し持続可能な地域を創っていくものです。しかしながら、ただ一概に社会の課題を解決するといっても簡単なことではありません。結果にコミットするためには、今まで以上に時代の変革に対応し、これまで取り組んでこなかった本当に地域にとって必要性のある新しいことにどんどん挑戦していく必要があります。そして挑戦から個々の成長へとつなげ、その集合体が強い組織を作り、さらにその運動がより効果を発揮し地域のより良い未来へとつながります。青年会議所の活動には仕事や私生活では体験できないような様々な機会の提供があ
り、その取り組みの中で自身でも気付かないうちに、己の成長や仲間との出会いという価値あるものが生まれます。コロナからさらに新時代へ変わり、日本でも物価上昇に賃金の伸びが追いつかない問題や円安が進んだりと次から次へ新たな問題が増え続けていますが、その増え続ける課題に向き合い、時代に即した新しい方法で立ち向かい続け、強い運動を展開しながらより影響力のある強い組織への成長とともに明るい豊かな社会を実現させていきます。

住みたい街から住み続けたい街へ

我らが住まう松戸市には多くの魅力が点在しています。まず市内で 6 路線 23 の駅があり、松戸駅からは JR 常磐線で東京駅まで乗換無しで 24 分と都心へのアクセスが良く交通の便が良いところがあげられます。また都心から近くの地域でありながら、21 世紀の森と広場をはじめとする多くの自然が豊かなスポットや、戸定邸や本土寺、矢切の渡し等の歴史を感じる観光資源があるところも魅力です。さらには8年連続で待機児童ゼロや日経新聞社と日経 xwoman が発表する「共働き子育てしやすい街ランキング」全国編(東京を除く)において、直近の 2022 年度を含めて 4 度 1 位を受賞するなど、子育てに対する補助や支援に特に力を入れていて子育てがしやすいという魅力があります。その多くの魅力から、不動産ポータルサイト SUUMO の発表する「住みたい自治体ランキング」では東京都を含む首都圏版で 50 位以内に入るほどの関東でも人気の自治体となっており、今の日本としては珍しく人口が増加傾向にある地域で東京のベッドタウンと位置付けられています。
しかし人口の増えている松戸市でもその内訳としては課題があり、人口は緩やかに増えていますが、その増加割合に対して、多くの転入者とそれよりも少し少ない転出者がいるというだけであり、市外、県外から魅力を感じて転入してきても松戸に住み続けずに転出してしまうという傾向があります。結果として「住みたい自治体ランキング」では 50 位以内でしたが、同 SUUMO の「住み続けたい自治体ランキング」ではランキング外となっており、市民の住み続けたいという気持ちや松戸の魅力に対する実感が弱いことが一つの原因と考えられます。住み続けたいという気持ちを醸成するためには街に対する誇りを持つことで愛着が生まれ、住み続けたいと思うようになると考えられています。
住みたい街から住み続けたい街へとしていくためにも、より多くの方々が地域に誇りと愛着が持てるような、多くの人々を巻き込んだ、心に残るインパクトを与える事業を開催し、松戸の誇れるものを市内外の方々に発信していきます。

子どもたちにあらゆる挑戦の機会を

コロナ禍で中止や延期されていた学校の行事や地域でのイベントが段々と再開され、子どもたちも様々な体験ができる機会が増えてきました。子どもたちに限らず体験、経験は非常に価値のあるものであり、その一つの体験や経験がきっかけとなり、夢、趣味、仕事等につながることもあります。子どもの頃の体験や経験は特に重要であり、国立青少年教育振興機構での調査によると、子どもの頃の体験が豊富な大人ほど、やる気や生きがいを持っている人が多いという結果が出ています。そのように子どもたちには、子供の頃に何を経験するかによって、未来へ向けた無限の可能性を秘めています。ですが人によっては生活や環境が異なるため好奇心や興味があってもその体験、経験に出会えないまま大人になってしまう人も少なくありません。
次世代を担う多くの子どもたちに将来の夢や生きがいを持ってもらうためにも、コロナが収束しつつある今だからこそ、子供たちが日常生活では出会えないような多種多様な体験や経験ができる機会を提供し、やる気や生きがいを持った素晴らしい大人を多く輩出できるよう運動を展開していきます。

拡大を通じて強い組織へ

近年松戸青年会議所においても全国の各地会員会議所においても会員数は減少しており、会員拡大は重要な課題の一つになっています。我々青年会議所では明るい豊かな社会の実現のためにより強い組織体で運動を展開していく必要があります。その中で一人ひとりのメンバーは宝であり、より多くのメンバーで共に協力し合い様々なアイディアを駆使して事業を作り上げ展開することで強力なパフォーマンスを発揮することができます。会員が減少している中でも特にこのコロナ期間中は飲食の制限などから拡大活動が難しく、2020 年以降は毎年会員数が減少していましたが、2023 年度は拡大活動が順調に進んでお
り、現在は会員数が増加傾向にあります。この勢いに乗りさらに組織を拡大していくことで、多くのメンバーの力でより強力な運動を展開することができるようになり、地域の課題解決とともに存在感と影響力のある組織へとなっていきます。
組織を拡大するにあたりオブザーバーの確保は最重要任務であり、決まったメンバーだけで拡大活動をするのではなく松戸青年会議所メンバー一丸となり全員でオブザーバーの動員と拡大に取り組む必要があります。
そして 2024 年度は拡大を担当する委員会を設置し、委員会での拡大活動はもちろん、上述にもあるようにメンバー全員で拡大に取り組みやすくするよう、交流会の開催やオブザーバーの管理等全員で拡大活動をしやすい環境作りを徹底しながら効果的な拡大を行っていき、今後より力強い運動を展開できるようにします。

アカデミーを通じてより最高のパフォーマンスを

上述でもありますが一人ひとりのメンバーは宝です。そのメンバーの中でも青年会議所活動に対する目的や熱量は人によって異なります。青年会議所の活動には様々な機会の提供があり、そこに青年会議所の魅力との出会いがあります。青年会議所の魅力は人によって違い、仲間との出会い、個々の成長、地域への貢献、他にも様々な魅力がありますが、その各々の魅力に出会えていないと活動する目的ややりがいを感じられないまま活動することになります。現在松戸青年会議所では年間 12 万円の年会費を納め会員としての権利を得ることができますが、12 万円という金額は決して安い金額でありません。その決して安くない会費を支払っているからこそ、青年会議所の魅力を感じ、やりがいを持って全力で運動に取り組むからこそ最大のパフォーマンスを発揮できるものです。メンバー一人ひとりがより高いパフォーマンスを発揮し運動に取り組むためにも新入会員や既存メンバーに限らずにメンバー全員が青年会議所を理解し、やりがいを感じられるよう多種多様な機会の提供をしていき、メンバーのモチベーションとポテンシャルを高めていきます。多くのメンバーが高いモチベーションで最高のパフォーマンスを発揮し青年会議所運動に取り組めば、自ずと組織力が強化され、その運動を発展させることで必ずやより明るい豊かな社会の実現に近づきます。

より強い組織への下支え

青年会議所の各事業、活動、重要事項はすべて、各諸会議において決定されます。組織の下支えとしての役を担う総務系委員会は、理事会、総会、監事監査の各会議の計画準備運営を適切に行い、組織を運営していくうえでの重要な役目があります。さらにより精度の高い会議を進行していくためにアジェンダシステムの管理や上程スケジュールの管理等他委員会と連携しスケジュール通りに会議を行えるよう徹底します。また事務局の整理整頓、会議や活動の備品管理、新入会員入会時のメンバー用備品の手配や管理も徹底し、より快適な環境で運動を展開していけるよう組織運営を補助していきます。そして組織の下支えをする中でメンバー間の懇親を深める機会の提供や、メンバー全員の JC 活動スケジュールが見える化できるようにし、組織全体での運動や活動に対する出席率を上げられるよう取り組みます。

時代に即した広報戦略

松戸青年会議所は地域の未来のために運動を展開しているにも関わらず、その知名度は決して高いとは言えません。今後も地域の方々を巻き込み、より良い運動を展開していくためにも、松戸青年会議所がどのような団体でどのような活動をしている組織なのかを、多くの市民に知っていただく必要があります。その上でただ運動を展開していくだけではなく、時代に則した手法で地域の多種多様なジャンルの人の目に止まり見入ってしまうような広報活動を展開していきます。また、松戸青年会議所の知名度を高めるだけではなく、より多くの方々に地域に対する愛着や誇りを持ってもらえるよう松戸の様々な魅力を我々が先導して発信していきます。

財務管理とコンプライアンス遵守

組織にとって財務管理は重要であり、そこが適切でないと組織の存続ができません。特に青年会議所は会員の年会費、賛助企業からの支援金があってこそ組織の運営や活動、運動が行えます。だからこそより一つひとつの事業等に対し正確かつ適正な財務を徹底し、より効率かつ合理的な資金の使い方を徹底します。そして、事業毎に担当委員会と財務担当が協力して賛助会員とは別の資金的パートナーを積極的に募り、自分たちだけでは行えないより地域にインパクトを与えられる規模の事業を展開していきます。また地域の魅力や青年会議所活動をより広く発信していく中で、今の時代コンプライアンス問題という壁は避けては通れません。徹底したコンプライアンスのチェックを行い、より松戸青年会議所の存在感を強固なものへとしていきます。さらに松戸青年会議所が公益社団法人となってから 10 年が経ちました。2023 年度は今後の在り方について見つめなおし、2024 年度においては組織と地域の未来を見据え今後の方向性を決めていきます。

行政や関係諸団体に感謝の気持ちを

松戸青年会議所が過去 50 年以上もの期間、地域を発展させるべく運動を展開してこれたのも、行政をはじめ地域の諸団体の皆様、そして各地会員会議所メンバーの皆様のご協力があったからこそです。そのような恵まれた環境だからこそ周りの方々に感謝の気持ちを伝えるべく、おもてなしの心を込めた新年祝賀会を開催し、これからもより良好な関係を築き、地域へ強いインパクトを与えられる運動を展開していきます。

むすびに

企業の寿命が 30 年、50 年以上存続できる企業が 1%未満といわれている中で、松戸青年会議所が 1968 年に創立されてから 2024 年には 57 年目となります。この長い年月存在感を発揮し地域の課題に取り組み続け数々の歴史を紡いでこれたのは、これまで諸先輩方が数々の社会情勢の変化に対応し、強いリーダーシップの基様々な難関を乗り越えてきてくれたからです。これから先も永続的に組織を存続させ、地域で活躍していくために組織を強化し続け、時代の変革と戦い勝ち続けなければなければなりません。
これから先も新型コロナウイルス感染症のようなたくさんの難関が次から次へとあらわれてくるでしょう。あきらめるのは簡単ですが覚悟を決めて目の前の壁と向き合い新しいことに挑戦し続けることで人間は強くなります。
地域の未来のために、仲間とともに新たなことに挑戦し、自分を成長させる一度きりの人生です。チャンスはそう何度も訪れません。やりたいことになんでも挑戦して、共に最高の人生のストーリーを作っていきましょう。

賛助会員

  • 三井エステート株式会社
  • 葛西屋呉服店
  • 株式会社さかえ屋
  • 株式会社ルーラル東京

リンク

  • Award Library 2019
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